一方、隣で軽やかにジャブとクロスを組み合わせていた男性は本日3プログラム目で、「自分を追い込むのが好き」だという。終わった後は倒れ込んでいた。
b-monsterは、パフォーマーの経歴も様々だ。ダンサーや俳優、DJ出身者と幅広い。プログラムを受けたmiiyaさんも、かつては理学療法士として働いていたという。
「幼い頃からダンスをやっていて、音楽も大好き。前職の知識を生かしながら、好きなことができています」(miiyaさん)
経験にこだわらない採用方法にも狙いがあると、同社の塚田眞琴副社長(24)は説明する。
「インストラクターではなく、パフォーマーと呼んでいるのは、ステージに立ってみんなを魅了する人であってほしいという思いから。インストラクター出身の方は、どうしても丁寧に教えてあげたい、という方もいます。でも、みんなを引き込む存在でいてほしいのです」
FEELCYCLE、b-monsterともに共通するのは、音楽と照明に連動する緻密(ちみつ)なプログラムとインストラクターのカリスマ性だ。時には過激に見える煽(あお)りも、ユーザーへの「追い込み」の一つなのだ。
暗闇市場は都内を中心に、じわじわと広がってきた。トランポリンをする「jump one」や、RIZAPによる女性向けフィットネス「EXPA」、東急スポーツオアシスの「暗闇ヨガ」も登場した。今や流行(はや)りではなく定番化しつつある。(編集部・福井しほ)
※AERA 2019年9月16日号