カキオコ/「カキオコ屋 暖里」のカキオコは、大きな牡蠣を6個相当使うレギュラーが850円。最後に特製ソースとマヨネーズなどで仕上げてハフハフいただく。牡蠣の存在感はしっかり(撮影/楠本涼)
カキオコ/「カキオコ屋 暖里」のカキオコは、大きな牡蠣を6個相当使うレギュラーが850円。最後に特製ソースとマヨネーズなどで仕上げてハフハフいただく。牡蠣の存在感はしっかり(撮影/楠本涼)
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 瀬戸内には知られざる絶品グルメが数知れずある。ブレーク直前の「全国区予備軍」たちを訪ねた。

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 瀬戸内グルメといえば、豊かな海が育てたピチピチの海鮮や讃岐うどんなどが知られる。でもほかにも、全国区入りを狙って手ぐすねを引くご当地グルメが数多くある。芸術祭の会場エリアからのアクセスがいい、伸び盛りのご当地グルメ5種を紹介しよう。

 まずは小豆島の大部港からフェリーで約1時間の岡山県備前市日生(ひなせ)町。元々牡蠣の名産地として知られるが、最近多くの観光客を集めているご当地グルメが「カキオコ」。牡蠣のたっぷり入ったお好み焼きだ。

 日生漁協の駐車場にある「カキオコ屋 暖里(ゆるり)」のご主人で、「日生カキオコまちづくりの会」のてっぱん隊長、中村智浩さんがおしえてくれた。

「日生には、広島と同じようなソース文化があり、昔からお好み焼き屋が多かったんです。で、お好み焼きの人気トッピングのひとつだったのが牡蠣。もったいない? このへんでは牡蠣が豊富で、高級食材というわけではないんですよ。シーフード食材のひとつとして、昔から贅沢にトッピングしていますね」

 2011年にB級ご当地グルメの王者を決める「B-1グランプリ」に出店するなどして火がつき、今では町のあちこちに「カキオコ」ののぼりがはためく。協賛会員店だけでも15店がカキオコを提供しているという。

 中村さんが生地、キャベツ、ソースを吟味し、3年かけて開発したというこの店の味を実食させてもらった。お好み焼きの具になっても、その味わいをしっかり主張するプリップリの牡蠣と、ソースの意外なマリアージュ。うめー!

 一方、オリーブや醤油、そうめんなどが有名な小豆島。ここにも初めて出合うご当地グルメがあった。まず「小豆島ラーメンhishio 小豆島エンジェルロード店」が提供するご当地ラーメン「醤(ひしお)そば」。島醤油とカタクチイワシにこだわった独特の味わいで、岡山県内の支店も人気店になっているという。

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