一晩の眠りのサイクル(AERA 2019年3月4日号より)
一晩の眠りのサイクル(AERA 2019年3月4日号より)
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アテネ不眠尺度(AERA 2019年3月4日号より)
アテネ不眠尺度(AERA 2019年3月4日号より)

 いい睡眠を得るためにおすすめなのは、昼間の軽いジョギングやカフェイン断ち。意外なことに、毎晩の「ルーティン」も大切という。

【チェックしてみよう】あなたの不眠度は何点?

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 近所の人との飲み会で、「何度も見ては跳び起きる夢」の話になったことがある。そば屋のお兄ちゃんは、「出前で道に迷って、そばがのびちゃう」夢とか、クリーニング店のおじさんは、「アイロンで、コワモテ客の高級スーツを焦がす」夢とか。どんな仕事の人ももれなく、悪夢の元を抱えているらしい。

 そして、ライターの自分の場合はこれ。「ひとつも取材していないのに、原稿の締め切りが来る」夢。最近、明け方にこの夢で跳び起きて、あとは眠れずにもんもん、大切な睡眠時間が削られたことが何度かある。

 労働者のストレス軽減と、メンタルヘルス不調を予防するためのさまざまな研究をおこなっている北里大学大学院産業精神保健学教授の田中克俊さんに、相談してみた。

「睡眠については、何時間眠ったかという“量”も大事ですが、どれだけ深い眠りができたかの“質”にも注目すべきと思います。深い睡眠は入眠後3時間以内に出現することが多いので、明け方に目が覚めてしまうことイコール質が悪いということではないかと思います」

 そう話す田中さんによれば、睡眠に問題があるときは、「深睡眠」と呼ばれる深い睡眠が足りないことが多いという。ただし、この深睡眠は、図のように、寝入りばなに多く出現して、やがて出てこなくなるのが一般的だ。

 つまりいい睡眠とは前半勝負型。たとえ明け方に目が覚めてしまっても、寝入りばなにちゃんと深い睡眠がとれていれば、ダメージは少なそうだ。

 よかった。せっかくなので、この寝入りばなの深睡眠を逃さないために、田中さんに教えてもらったいくつかのポイントを1週間実践してみることにした。

 やってみたのは、次の四つ。まず脳や内臓など「深部体温」といわれる体内部の温度を上げるための、軽い運動だ。田中さんによれば「睡眠は、熱くなった脳を冷やすためのプロセス」。日中にジョギングなどで体温を上げておくと、その反動でベッドに入ったときに深い眠りに落ちやすくなるという。

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