AERA 2018年11月5日号より
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 少子化が進むなか、多くの私立大学は学生確保に四苦八苦している。どのような対策や取り組みを始めたのか。

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 各大学が得意とする分野、課題としている分野などを知るために、有力私立大学25校の教員、教育、学生、施設、経営、研究についての最新データを表にまとめた。グローバル化において留学生の受け入れは早稲田がリードする。これは国際教養学部の存在が大きい。また、早稲田の学生寮の定員が多いのは留学生向けが加わったことによる。外国人教員比率が高い国際基督教大は、1953年の開学時から外国人教職員が大学を発展させたという伝統によるものだ。

 多くの大学で学生数は男女半々が理想的と考える。早慶は女子を増やしたい、上智、立教は男子を増やしたいというのが本音だ。昨今、法政、明治が女子を増やしており、これまでのミッション系=女子が多いという構図は崩れそうだ。研究分野では医学部をもつ慶應義塾大が強い。研究者養成の基準となる博士号学位では文系学部で大学院を充実させている早稲田、中央が健闘する。高校からの評価は、明治大就職支援で信頼を得ている。入試を控える学生にとっても、大学の得意分野などを知ることは、大学選びのプラスαの判断材料になるはずだ。

 もちろん、この表からは読みとれないこともある。 早稲田大の学部学生は5年間で3千人近くも減っている。2014年度から18年度までの推移をみると、4万3268人→4万2778人→4万2181人→4万1333人→4万394人(人間科学部通信教育課程を除く)。

 いったい何が起こったのか。12年、早稲田大は長期計画目標として「Waseda Vision150」を掲げた。創立150年となる32年までに、大学院生、外国人留学生、外国人教員を増やすなど、いくつかの項目で数値目標を定めたものである。研究者養成、グローバル化などに力を入れるためだ。

 一方、学部学生数は減らす方針を打ち立てた。12年の約4万4千人を3万5千人にするという目標を掲げている。早稲田大は入学者数を毎年100~400人ほど減らし、5年間で約3千人減らすことに成功した。

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