産むまで大変だった。産んだらもっと大変だった。予定通りにものごとが進まない。でも、それでもいいかっと思える。アラフォーで母親になったタレントのはしのえみさんに、子育てへの思いを聞いた。
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娘は2歳8カ月。初めて発した言葉は「よいしょ」でした(笑)。「パパ」「ママ」よりも先。自分が「よいしょ」をそんなに連発していたなんて……。アラフォー出産ならではですかね。
41歳で娘を出産。欽ちゃん(萩本欽一)に言われたのは「今度も間に合ったね」。欽ちゃん劇団からグループデビューしたのが20歳、結婚も35歳と遅くて。「えみはいつもスタートが遅いけれど、間に合う子だよね」と言われてました。
でも、仕事との兼ね合いからするとベストタイミングでした。2014年に長年レギュラー出演していた「王様のブランチ」を卒業。その翌年に授かりました。「王様のブランチ」のロケは結構ハードだったので、出演中だったらそれはそれで大変だっただろうなと思います。
アラフォーともなると、初めて経験することって少なくなりますよね。その点、妊娠も出産も子育ても全部初体験なので新鮮でした。でも産院を退院すると、いきなりプロのいないなか子育てを始めないといけなくて。このか弱い存在を私は育てていけるんだろうかと不安になり、トイレでひとり、こっそり泣いたこともあります。
育児もわからないことだらけで、退院すると胸が母乳で張って岩みたいになりました。24時間、痛くて。出産経験のある友だちに「どうしたらいいの?」っていろいろ電話しました。私より先に出産した、安めぐみちゃんに母乳ケアの病院を教えてもらわなかったら乳腺炎になっていたかもしれません。
娘との会話はまだ「楽しかった?」と聞くと「楽しかった」と、オウム返しに答えが返ってくるだけ。でももう少し会話ができるようになったら「どうだった?」「何が楽しかった?」と、番組の仕事で人から話を引き出すときみたいに聞きたいと思っています。そうすると答えの幅も広がりますよね。娘には想像力豊かに育ってほしいなと思って。私も夫(綱島郷太郎)も好きなことを仕事にしているので、娘にも好きなものを見つけて人生を歩んでほしいです。