もし、対象となる派遣労働者が3年間働く見込みがある場合は、(1)~(4)のいずれかの措置をとることは派遣元企業の義務になります。1年以上3年未満の見込みの場合は、派遣元企業の努力義務です。「努力義務」では、とりあえず努力さえすればいいので、「義務」よりも効果は小さくなります。
さらに(1)は、依頼をすればそれでよく、派遣先が断ればそれまでです。(2)は、たとえば新たな派遣先がこれまでよりも著しく低賃金だったり、場所が著しく遠かったりなどした場合は「合理的」とはいえず、「措置をとった」ことにはなりません。
いずれにしても、派遣労働者の地位は法律上も現実でも不安定であり、突然、働く先が失われることがあります。
ご質問のケースでは、まずは派遣元企業にこれらの義務を果たすように迫ることが必要です。
※AERA 2018年2月26日号