結婚式は5月19日と決まったが、この日は歴史あるサッカーFAカップ決勝戦と重なる。ウィリアム王子はイングランドフットボール協会の総裁なので、優勝チームにトロフィーを渡す役割を担う。しかし弟の結婚式では重要なベストマンを務める予定である。二つのイベントは午前と午後に分かれるから問題なしと説明されるが、ウィリアム王子はさぞ忙しい思いをするだろう。警備体制も分散されるのでテロを懸念する声も上がっている。なぜ、わざわざ日程をぶつけたのか、妃は二人の決定に怒っているとも報じられる。トランプ現政権との兼ね合いで問題視されているものの、結婚式にはオバマ元大統領夫妻を招く話も出ている。ハリー王子はインビクタスゲームなどでオバマ夫妻と知り合った。オバマ氏はアフリカ系米国人だ。王子とメーガンさんとの結婚に特別な思いを寄せているといわれる。さらに巷には「結婚は英国と米国の懸け橋になる」と期待する声もある。二人の結婚はキャサリン妃の時よりも格段とスケールが大きくなっているのだ。

 キャサリン妃は英国を代表するファッショニスタで着こなしには定評があり、妃が身に着けたドレスはあっという間に完売する。しかし、メーガンさんは米国人俳優でカナダに在住し、さらに英国のロイヤルと結婚する。いくつもの国をまたぐため、経済効果はキャサリン妃をしのぐのではないかとも。

 メーガンさんは、外国人、離婚経験者、母親がアフリカ系米国人など、従来のロイヤルブライドとしては不利な条件がそろう。圧倒的優位に立つキャサリン妃は余裕の構えだと当初は見られていた。しかし、嫌われていたはずのメーガンさんに人々は好意的視線を向け始めている。「マークル・スパークル」と称され、白人のみならずアフリカ系米国人にとってもロールモデルだともてはやされる。この礼賛と人気はいつまで続くのか。キャサリン妃は第3子妊娠の貫禄を保ちながらも、憂鬱な毎日を過ごしていると噂されている。(ジャーナリスト・多賀幹子)

AERA 2018年1月22日号

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