「フラリーマン」は、2004年に現・目白大学名誉教授の渋谷昌三さんが著書『「上司が読める」と面白い』の中で使った造語だとされる(立体イラスト・kucci/撮影・今村拓馬)
「フラリーマン」は、2004年に現・目白大学名誉教授の渋谷昌三さんが著書『「上司が読める」と面白い』の中で使った造語だとされる(立体イラスト・kucci/撮影・今村拓馬)
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 今、家庭を持つ男性がまっすぐに家に帰らない。いや、帰れなくなっている。NHKは9、10月と連続で、そんな男性たちを情報番組で特集した。彼らは「フラリーマン」と呼ばれ、一人公園で酒を飲んだり、映画館やコンビニ、書店で長時間時間をつぶしたりしてから帰宅する。

 番組内で男性らが「自分の時間が必要」「早く帰ると妻の家事の邪魔になる」などと言い分を挙げると、放送後に妻側の女性たちは大激怒。「妻に家事、育児を押し付けて何を言っているのか」「一人の時間は女にだって必要だ」など怒りの声がネットにあふれかえり、またたく間に、大炎上した。

 フラリーマンの分は悪い。牛乳石鹸が父の日(6月18日)に合わせて公開したウェブ動画。子どもの誕生日にもかかわらず、上司に叱責された後輩を慰めるために飲んで帰った父親を軸に、仕事と家庭との間で揺れる男性を描いたところ、ネット上には「不快とかではなく全然理解ができない」「誰に何を共感させようとしているのか」といった批判が殺到した。

 夫であり父である記者(40)は思う。こうした非難の根底にあるのは、「妻側」にこんな思いが渦巻いているからではないか。

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