スポーツ紙記者は、こう分析する。

「プロ6年目の広島・中村奨成は地元出身のスター選手としてドラフト1位で入団しましたが、厳しい立場になっている。捕手は坂倉将吾が中心となり、曾澤翼も控えている。中村奨はファームでも正捕手をつかめていない。左足関節捻挫で戦線離脱して現在はリハビリ生活を送っています。捕手としての評価は他球団でも微妙ですが、打撃センスは高く評価されている。外野手として引き取り手はあると思います。また、巨人の岸田行倫も他球団の評価が高い。攻守のバランスが良い選手ですが、正捕手は侍ジャパンでWBCに出場した大城卓三で、小林誠司もいる。強肩の山瀬慎之助、喜多隆介と若手の成長株も台頭しており、岸田は出場機会を減らしている。26歳という年齢を考えるとこのままくすぶっているのはもったいない」

 他球団のスコアラーは評価が高い選手として、西武・高木渉、DeNA・阪口皓亮、阪神・北條史也の名を挙げる。高木は昨年イースタンで本塁打王のタイトルを獲得。パンチ力が魅力の左打者だが1軍に定着できず、プロ5年目の今年も開幕からファーム暮らしで、1軍昇格を目指している。阪口は身長188センチの長身から最速150キロ超の直球が武器の大型右腕。高卒5年目の昨季はイースタンで最多奪三振のタイトルを獲得したが、1軍登板は1試合のみ。ただ、高木と阪口は共に23歳とまだ若い。今後の伸びしろを考えると、素質開花を待つ可能性は十分にある。

 一方、北條は立場が異なる。岡田彰布監督が今年から就任し、一塁は大山悠輔、三塁は佐藤輝明に固定。守備力を重視し、遊撃を守っていた中野拓夢が二塁にコンバートされ、遊撃は木浪聖也、小幡竜平がレギュラー争いを繰り広げている。糸原健斗、日本ハムからトレードで移籍した渡邉諒も控えており、開幕2軍スタートの北條は厳しい状況になっている。阪神は右の強打者として重宝されていた陽川が現役ドラフトで西武に移籍したことから、北條もこのままファーム暮らしが続けば、現役ドラフトの候補になる可能性があるだろう。

 前出の他球団スコアラーは、こう指摘する。

「現役ドラフトは伸び悩んでいる中堅選手の救済措置の意味合いが強い。その意味では巨人に候補が多い。湯浅大、廣岡大志、北村拓己、若林晃弘…彼らは二遊間を守る選手たちですが、坂本勇人の後継者として期待される中山礼都、門脇誠が一本立ちするようだと、チャンスが少なくなる。阪神の高山俊も現役ドラフトの可能性がゼロではない。低迷している時期が長いのでトレードのコマとして旬を過ぎた感じがありますが、打撃センスは天才的です。環境を変えることでもう一花咲かせられるかもしれない」

 ドラフト1位で入団した高山は1年目の16年に134試合出場で打率.275、8本塁打、65打点をマーク。新人王を獲得して将来を嘱望されたが、その後は攻守で精彩を欠いて出場機会を減らしていく。打撃フォームの改造を何度も敢行したが実を結ばず、21年は1軍出場なし。昨年も38試合出場で打率.189、0本塁打、0打点と不本意な成績に終わった。今年は岡田新監督の期待が大きかったが、実戦で結果を残せず開幕2軍スタートで汗を流している。

 この他ではソフトバンク・高橋純平、楽天・和田恋、ロッテ・柿沼友哉、ヤクルト・松本友も他球団の評価が高い。オコエ、細川のように眠れる才能が覚醒するか。(今川秀悟)

暮らしとモノ班 for promotion
携帯トイレと簡易トイレの違いってわかる?3タイプの使い分けと購入カタログ