第39回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を獲得した嵐の二宮和也。第1回の高倉健に連なる一人に入ったことで、日本映画への責任を改めて感じていると語る。
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嵐のほかのメンバーに比べ、「大人」のドラマや映画への出演が目立つ。ジャニーズ事務所全体を見回しても、同世代とはかなり毛色が違っている。
ドラマ初出演作が「天城越え」だった。倉本聰脚本の「優しい時間」「拝啓、父上様」。落語の立川一門を描いた「赤めだか」もよかった。映画では何と言ってもクリント・イーストウッド監督に抜擢された「硫黄島からの手紙」がある。
最新の主演映画「ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜」もしかり。1930年代の満州(中国東北部)と現代日本とを、2人の天才料理人が結ぶ。滝田洋二郎監督が描く大人の物語だ。
「昔から大人の方に、『キラキラしてないんだよ、お前は』『学園恋愛ドラマに出ても誰も見ないだろう』って言われていました(笑)」
本人は、こう笑う。