埼玉県立浦和高校/所在地:埼玉・さいたま。SGH(スーパーグローバルハイスクール)。「大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)」が提唱する指導法、協調学習を導入。生徒同士教え合うジグソー法を活用。理科の実験レポートに高い評価。50キロを7時間以内に完歩する古河強歩大会、最長2キロの遠泳も(撮影/福光 恵)
埼玉県立浦和高校/所在地:埼玉・さいたま。SGH(スーパーグローバルハイスクール)。「大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)」が提唱する指導法、協調学習を導入。生徒同士教え合うジグソー法を活用。理科の実験レポートに高い評価。50キロを7時間以内に完歩する古河強歩大会、最長2キロの遠泳も(撮影/福光 恵)
この記事の写真をすべて見る

 2030年。あなたの子どもは何歳だろうか。ちょうどこの頃、社会の中核を担うのは今の中高生だ。AI(人工知能)の進化で仕事も働き方も急速に変わり始めた。変化の加速度を考えると、学校選びの基準もこれまでと大きく違ってくる。もう「教育改革」など待っていては、わが子の成長に間に合わない。AERA 2017年6月5日号では、「AI時代に強い中高一貫・高校選び」を大特集。アエラが注目する中高一貫校・高校の中から、埼玉県立浦和高校を紹介する。

*  *  *

 時代を先取りした学習に取り組む伝統校もある。いや、時代がついてきたというところか。

 この日、3年生の英語の授業のテーマは、「人工知能vs.人間」。机を移動していくつかのグループを作り、AIにできること、人間にできることなどを英語でディスカッションする。

●「暗記より身につく」

 議論は、教材のテキストを順番に音読することからスタート。続いて、「I think so too,and I also think……」「I don't think so.Actually……」など、つなぎの言い回しを使いながら、相手を尊重した上で、考えたことを英語で表現する力を磨いていく。

「Because……AI is not creative.」

「おおお! I think so too!」

 ディスカッションが始まると、どのグループも大盛り上がり。生徒のひとりも言う。

「机の上の勉強より、ずっとおもしろい。暗記するより英語も身につくと感じます」

 こちら、埼玉県立浦和高校の授業風景。同校は、グループごとの考えをつなぎ合わせて答えを導く「ジグソー法」をベースにした協調学習を、各教科に従来から取り入れていることでも知られる。

 この日授業を担当した英語の小河園子教諭は言う。

「こうしたディスカッションを授業に取り入れるようになったのは8年前。アレンジを加えながら、今は月に1度、ディスカッションのみの授業をおこなうほか、毎回の授業でも何かしらディスカッションの時間を設けています」

次のページ