グルテンを含まない「グルテンフリー」のパン「クラウドブレッド」。簡単に作れて、ごはんにもおやつにもなる。高たんぱく、低カロリーで新食感の“第二のパン”だ。
数年前から北米を中心にSNSで話題になっている低糖質・低カロリー・グルテンフリーの「クラウドブレッド」が日本に上陸した。
東京都在住の自営業40代女性は知人から「グルテンを抜くと痩せる」と聞き、2年前にパンやパスタなど小麦粉を使用した食材を摂らない生活を半年間続けた。
すると、その結果体重が落ちやすくなり、生理痛も和らいだ。最近、小麦粉の摂り過ぎで体のむくみを感じていたため、再びグルテン抜きの生活を考えていた。そんな矢先、SNSで「グルテンフリーのパン」の存在を知り、思わず目を見張った。
●圧倒的な低カロリー
雲(クラウド)のようにフワフワで、直径9センチの円形のタイプでは重さは9グラムほど。糖質は0.6グラムで38キロカロリー。6枚切りの食パン1枚(糖質28.9グラム、172キロカロリー)と比較するとその差は歴然だ。
7月に『クラウドブレッド』(朝日新聞出版)を出版した菓子研究家の吉川文子(ふみこ)さんがクラウドブレッドを知ったきっかけは、アメリカに住む友人から送られてきた写真だった。
「最近、グルテンフリーでこんなのが流行っている」
パンケーキにも煎餅にも見えるそのフォルムに興味を持ち、さっそくウェブ上に出回っているレシピを参考に作成。出来上がりは想像以上に軽く、パンとは思えないほど口の中でスッと溶けた。
通常、クラウドブレッドの海外レシピには「クリームオブターター」(酒石酸水素カリウム)が材料に入る。日本ではなじみが薄いが、メレンゲを立てた時に泡が潰れぬよう維持する力があるのだ。そこで吉川さんは、同じ効果が得られるベーキングパウダーで代用。日本で手に入りやすい食材で、安定して美味しい生地を作りたいと思い、2カ月間で100回近く試作・試食を行った。