「以前は冷凍するのに時間がかかったため、具の野菜から水分が出て、皮がくっつくことがありました。それを防ぐために蒸してから冷凍するなどして、『お店の味の再現』とは遠いものも多かったんです。最近は、冷凍も1時間ほどでできるようになって、説明書通りに焼きさえすれば、お店の味に限りなく近い餃子が家でも食べられるようになりました」
というわけで、メインディッシュはお取り寄せなどで人気の冷凍餃子、パーティー会場はいくらでも客が集まる編集部に決定。せっかくなので、おいしかった餃子に投票してもらうギョー選挙……いや総選挙も実施することにした。
●水投入のタイミング
エントリーする餃子は、編集部で手分けして購入。宇都宮餃子の名店が集結する「来らっせ」や東北自動車道のサービスエリア、通販サイト、はたまたお店に直接注文するなどして、人気の冷凍お取り寄せ餃子10種類が編集部に勢ぞろいした。
ホットプレート3台、焼き方(焼く係)3人体制で、5月のとある校了日の夜、ついにギョーパーを決行した。
塚田さんの教えを守って、まずはそれぞれの餃子の説明書を熟読。ちなみに、くっつく心配がないホットプレートで冷凍餃子を焼くポイントは「水を入れるタイミング」に尽きる。
餃子を並べたらすぐさま水を入れてしばしボイル、水気を飛ばして最後に焼き色をつけるというタイプと、凍った状態でまずは焼き色をつけ、そこからボイルして最後に焼き色の仕上げをするというタイプに大別されるようだ。
大した違いはなさそうだけど、これを間違えると、薄めの皮を使った餃子は皮が破けたり、反対に厚い皮はふっくらせずに硬くなったりしてしまう。「レシピ通りに作るのがかえって苦手」というお料理自慢の人や、逆に「慣れていないので、レシピ通りにやっても失敗する」みたいなお料理アウェーな人は、とりあえずこの「水投入のタイミング」だけでも心して取り組むといい。
ちなみに自分は後者だが、なぜか別の餃子の説明書を見てしまうという初歩的なミスをやらかした。おかげで、水投入のタイミングの重要性を身をもって知った次第です。
そんな「ぎゃー間違えた!」だの、水を投入して湯気が「シュワー!」だの、長机にホットプレートを3台並べただけの即席厨房(ちゅうぼう)も、活気だけは「餃子の名店」並み。やがて、油でチリチリと皮が焼ける幸せな匂いもしてきて、本日のパーリーピーポー、編集部のみなさんが仕事の手を止めて集まってきた。
●厚皮と肉中心が人気