「押している場所とは違うところに刺激があるのが、トリガーポイントです。ここを90秒から長いときには5分くらい押すことで筋膜がゆるんできます」
その後も、耳下のリンパ、首の付け根、鎖骨付近などのポイントを押されていく。触られた瞬間に、電気が走ったような痛みが走る部分がある。それも、首を押されているのに背中に響いたり、右側を押されているのに左手がしびれたりする。同じ部位を押され続けると、反応した部分がポカポカと温かくなるので、不思議な気分になる。
記者が悶絶したのは、胸鎖乳突筋を親指と人さし指で刺激される二指圧迫法を受けているとき。頭頂部から後頭部、目の周りまでこれまでにない刺激が走る。筋肉自体もゴリゴリに凝り固まっているので、先生の指がポイントを押さえていく度に、「アガッ、ンググッ」 と声が出てしまう。“異変”に気づいたのか難波院長が様子を見に来てくれたが、「痛いのは最初だけですよ」とニコニコ顔で言う。
最後に起き上がって、肩と後頭部をゆるめてもらって約40分で施術は終了。そのときは上半身の血流が良くなったかなという程度だったが、効果を実感したのは、翌朝。
布団にもぐると一瞬で眠気がきて、気づいたら朝。熟睡できたからか、今までになく寝覚めが良く、首からあごにかけての重さがスッと取れていた。
もちろん、留意点もある。保険適用外なので、オーク銀座歯科クリニックの場合、1回あたり1万3千円(税込み)の治療費がかかる。また、一般的に改善効果が出るまで数回の治療が必要で、それがいつまで持続するかも個人差がある。
症状をみて、医師とも相談の上、適切に選択してほしい。(アエラ編集部)
※AERA 2016年4月4日号より抜粋