東京・銀座の歩行者天国。中国人観光客が減り普段より人通りは少ない=2月8日 (撮影/多田敏男)
東京・銀座の歩行者天国。中国人観光客が減り普段より人通りは少ない=2月8日 (撮影/多田敏男)
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感染症法や検疫法にもとづく分類と実施できる主な対応 (週刊朝日2020年2月28日号より)
感染症法や検疫法にもとづく分類と実施できる主な対応 (週刊朝日2020年2月28日号より)

 新型コロナウイルスは身近なくらしに影を落とす。マスクが品不足になり、中国人観光客の姿は消えた。自動車工場などの操業が止まり、経済にも打撃となっている。政府は総額153億円の緊急対応策を2月13日に発表したが、影響は長引きそうだ。

【表】指定感染症の危険性に応じた分類とそれぞれの対応法はこちら

(1)マスクは手に入るの?
 ユニ・チャームなどマスクメーカー各社は24時間態勢で増産し、週1億枚以上供給できるようにした。政府は2月17日以降に品不足は解消に向かうというが、輸入は引き続き難しく、店頭に十分並ぶとは限らない。ネット通販では定価の10倍以上まで便乗値上げしたケースもあった。

 マスクの予防効果は限定的なので無理して買わない。店頭で見つけたら必要な分だけ購入しよう。花粉症やインフルエンザなどにかかった場合は、病院や保健所、自治体などに相談する。

(2)マスク代への公的補助は?
 基本的にない。高いマスクや消毒薬を買うと家計を圧迫する。新型肺炎やインフルエンザなどにかかり、医師らからマスク着用を指示された場合は所得税控除の対象になる。その場合でも税金を取り戻せる効果は限定的なので、無理して買わないことが大事。

(3)不安につけ込む詐欺も?
 ネット上では、「マスクを無料送付」といったニセ情報をもとに、不正サイトへ誘導したり添付ファイルを開かせようとしたりする詐欺が広がる。世界保健機関(WHO)や保健所をかたって信用させることもあるので、不審な電子メールは開かず削除する。

 公務員らを装って電話をかけ、マスクの購入や義援金の名目で、お金をだまし取る手口も想定される。新型コロナウイルスの関連でお金を求められれば詐欺だと疑って、家族や消費生活センターに相談しよう。

(4)医療費はどうなる?
 指定感染症に2月1日付で指定された。都道府県は患者への入院勧告や就業制限を指示でき、従わないなら強制入院させることもできる。感染が確認されれば症状がなくても対象となる。感染した入院患者の医療費は公費で負担する。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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