平安時代に開山された寺院内にあり、ホテルや百貨店の案内役のような「コンシェルジュっぽい」女性たちに案内された。光がさんさんと入るキラキラ感あふれる建物で、女性たちに手を引かれてやってきた、人の良さそうな高齢の住職から話を聞いた。「歴史ある寺院の中に、最新の納骨堂があり、最初はそのギャップに驚いた」と振り返る。

 本書では、内部に遺骨を納めた仏像「骨仏」や、気の合った仲間と墓を建てる「合同墓」なども紹介されている。死後離婚、同性カップルの場合、お金や身寄りがない場合などについて、弁護士らによる法律相談のコーナーもある。

「この本をきっかけに普段遠ざけているお墓のことを話題にしてもらえたらいい」と井上さん。小学生の娘たちに聞くと、こんな言葉が返ってきたという。「お父さんとお母さんが死んだら、遺骨をペンダントにしていい?」

(朝山実)

週刊朝日  2019年12月13日号

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