東京都豊島区がクールジャパンの発信地として劇的に生まれ変わりつつある。
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11月1日、旧豊島区庁舎と豊島公会堂の跡地に複合商業施設「ハレザ池袋」のホール棟が先行オープンした。ハレザは演劇や伝統芸能を公演するホールなど8つの劇場が新設され、アニメ、サブカルチャーを楽しめる空間「中池袋公園」が備わっている。区が掲げる「国際アート・カルチャー都市」構想を体現する建物で、“文化”の中心地を目指す。
その“文化”の一つとして期待されているのが、マンガ・アニメ。クールジャパンの代表的なコンテンツだ。ハレザの外壁には巨大ビジョンが設置され、アニメーション映像が流れる。区は昨年、「マンガ・アニメ活用担当課」という珍しい部署も設け、その本気度がうかがえる。現場で変革の先頭に立つのが、同課の熊谷崇之課長だ。当初は戸惑いもあったという。
「今年4月に就任したのですが、もともとマンガも読まなければアニメにも興味がなく、知識はまったくなかった。重圧は大きかったです。何も知らない、ではまずいので日々勉強しています」
マンガ喫茶で目当てのコミックを探すにも四苦八苦。話題のアニメーション映画「天気の子」も見に行った。
「この役職に就かなければ、見ることはなかったと思います。これまではチャンネルを回してもスルーしていた深夜アニメも見るようになりました」(熊谷さん)
区がマンガ・アニメに重きを置くようになったのには理由がある。2014年に区が「消滅可能性都市」(日本創成会議による)とされたことだ。近い将来、若年層の女性人口減少によって、自治体が存続できない可能性があるとされた。
「区役所全体でショックは大きかった。人を呼び込む魅力ある街にするにはどうすればいいか、真剣に考えるようになりました」(同)
魅力的な“素材”はすぐにそばにあった。
「池袋にはアニメ関連商品の販売店『アニメイト』の本店があります。この存在はとても大きかった。連日大勢の方が訪れます。加えて客層の多くは若い女性。それも池袋に集まるアニメファンの大きな特徴でした(同)
アニメイト本店には平日は1万人、休日になれば多い日には3万人が訪れるともいわれるアニメの“聖地”だ。