「独身証明書を取り入れることで、安心してサービスを利用できます」と話すのは、朝日新聞社が運営する40~65歳の男女を対象としたパートナー探し事業「ミーティングテラス」の担当者、井原成美さん。

「独身証明書が必須なこともあり、真面目度、本気度の高い人が集まっている傾向があります。また、40~65歳と年齢を区切っていることも大きい。ミドルシニアの皆さんには同世代と出会いたいというお気持ちがあるのでは」

 サービスの開始は約1年半前。当初は女性からの応募が殺到し、入会を制限するほどだったという。

「女性の場合、40歳ごろだと、結婚して子どもを産むという選択肢もあるので、急ぎたいという方もいます。知らないコミュニティーに入ることにも躊躇(ちゅうちょ)がない。一方、男性だと一歩踏み出すのに時間がかかる傾向があります。男性の場合、会社以外のコミュニティーに入ることが少なく慣れていないため、怖い気持ちがあるみたいです。ただ一回参加すると、その後もリピート率が高いのは男性ですね」

 夫や妻と死別したケースだと特に結婚の良い部分も知っているため、精神的に支え合えるパートナーがもう一度ほしいという声もあるという。

 一方、「離別」に特化したサービスも生まれた。

離婚していることに多少引け目を感じる」「ネットの出会いは便利だけど、バツイチといっただけで遊び相手にしかみられない」

 こんな悩みを持つ人が参加しやすいようにと開発されたのが、離婚経験者専用のスマホのアプリ「remarry(リマリー)」だ。離婚経験がある独身の20歳以上を対象としたマッチングサービスだ。

 アプリ開発者の米田昌弘さんによると、50代以上からは、「価値観の合う人が見つからない」「出会う場所がない」という声が多く出ていたという。

「ビジネスキャリアを終えた方たちは特に出会う機会が少ないといいます。結婚相談所を利用するとなるとそれなりに費用がかかるし、あれこれ介入される煩わしさを感じるという人もいるようです。既に一度結婚されている方は、結婚相談所のようなケアまでは必要としないが出会いの場はほしい、というのが共通した考えだと思います」

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