マクロ経済スライドは国民年金(老齢基礎年金)を中心に、あと20年以上続くとされる。どれぐらいの抑制を覚悟しておくべきか。

「あくまで一つの目安ですが」とした上で、中嶋主任研究員が示す。

「ねんきんネット」などで自分の年金見込み額を試算する必要があるが、それがわかれば65歳になってもらい始める年金額(老齢基礎年金・老齢厚生年金)を今のお金の価値で実感することができる。

 5年前に国が試算したうち、経済が順調に成長するケースと、一番悪い低成長の両方の数字をもとに表は作られている(下記表参照)。楽観・悲観の両ケースで計算できるから、実際の年金額もその範囲内におさまりそうと予想できる。また楽観シナリオでも、老齢基礎年金の目減りがきついことは押さえておきたい。(本誌・首藤由之)

【フィデリティ退職・投資教育研究所の「退職準備の指標」の計算式】
個人資産からの引き出し額×退職後生活年数=自助努力で用意する退職後の資産
最終年収×個人資産代替率=個人資産からの引き出し額
年収×資産形成比率=資産形成額

【経済低成長悲観シナリオ】
現在の年齢/65歳になるのは?/基礎年金/厚生年金/
60歳   2024年       95    95 
50歳   2034年        85    85  
40歳   2044年        75    75
30歳   2054年        65      65 

【経済安定楽観シナリオ】
現在の年齢/65歳になるのは?/基礎年金/厚生年金/
60歳   2024年            95      100
50歳   2034年             85     100
40歳   2044年             75     100
30歳   2054年             75     100
(ニッセイ基礎研の中嶋邦夫主任研究員作成)

週刊朝日  2019年6月7日号

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