


物価が上がるのに収入は増えず余裕がない。こんな家庭は多いはず。とりわけ年金暮らしの人たちは、どうやりくりするか頭が痛いところ。そこでオススメしたいのが誰でもできる節約術。保険や電話、電気・ガスなどの支出を一から見直せば、確実に得する。けちくさいなんて思わずに、あなたも挑戦してみましょう。
まずは年金生活者らの平均的な状況を見てみる。総務省の家計調査によれば、2017年の高齢夫婦無職世帯の平均月収は20万9198円。支出は26万3717円で、毎月5万円を超える赤字だ。収入は年金頼みで、足りない分は預貯金の取り崩しなどで補う。楽な暮らしでないことがわかるだろう。
少しでも余裕を持つには、上手に節約し支出を減らすことがカギになる。節約というと、安い食品を買って食費を切り詰めることを思い浮かべがちだ。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子氏は、目先の節約にとらわれてはいけないと指摘する。
「食事や日用品の支出を抑えるのは、すぐに始めることができます。でも、本当にやるべきなのは保険や電話、住まい関連など、比較的大きな出費が伴うもの。目先のやりやすいところではなく、こうしたところから見直すのが鉄則です」
例えば、生命保険はどうか。生命保険文化センターが昨年9月にまとめた「生命保険に関する全国実態調査」によると、保険料は全体の平均で年38.2万円。60~64歳は年43.9万円と、他の年齢層に比べてやや高い。ばらつきはあるが、シニア層は年間30万円前後、月2万~3万円の保険料を払っている。
手始めは加入している保険の内容を確認すること。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は、必要のない保険に入っている人が多いと訴える。
「子どもが独立している人は、死亡保障は不要ではないでしょうか。入院に備えるものなど、自分のニーズに合った保障内容に絞るとよいでしょう」
医療保険についても再検討したほうがいい。保険に詳しいファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏は、社会保障があるので民間の保険の必要性は低いと言う。