


新元号が発表され、世間は晴れやかなムード。だがその一方で「改元詐欺」「オリンピック便乗詐欺」など新手の詐欺も目立ち始めている。まさしく平成最後の詐欺に巻き込まれないようにするには、どうしたらいいのだろう? 自分のお金を守るには、どうすればいいのだろう? いますぐ実践すべき対策を、ライフジャーナリスト 赤根千鶴子氏がお伝えする。
いまはキャッシュカードの詐取が増えている。右上のふきだし内のセリフは、警視庁の警察官を装った犯人が実際に被害者に対してかけた電話内容だ。犯人は被害者に新しく口座を作らせ、通帳とキャッシュカードを家に受け取りに来た宅配業者に渡すよう指示。だまし取られたキャッシュカードで、結局2450万円もの現金が引き出されるという被害が発生した。
また最近は「オリンピック」をからめた言葉を使ってキャッシュカードをだまし取る手口も増加している。「区市役所の職員をかたり、『オリンピックを迎えるので、キャッシュカードを交換しましょう』『いまお持ちのカードは使えなくなります』と電話をしてくるのです」(警視庁犯罪抑止対策本部企画・統計担当管理官の山上嘉人警視)
そして最終的には医療費等の還付金があり、手続きはこちらでやるのでキャッシュカードを受け取りに伺いますなどと言いだし、カードをだまし取るのだ。
しかし区市役所の職員や警察官が個人の暗証番号を電話で聞いたり、自宅に通帳やキャッシュカードなどを受け取りに来るなどということは絶対にありえない。このような電話があったときは110番通報するのが一番だ。
「オリンピックに関しては『あなただけが優先的に入場券を買えますよ』、あるいは『あなたはすでにオリンピック入場券を買っていらっしゃるのですが、身に覚えがありますか?』といったオリンピック詐欺もすでに出ています。詐欺師は時事問題に敏感です。何かが決まったり、何かが盛り上がっているときは必ずそこに便乗し、つけこむのです」(詐欺・悪徳商法評論家の多田文明さん)