卒業生や進学を考える受験生など、多くの人が気にする高校の大学合格実績。2019年の大学合格実績をもとに、2校以上が合格実績を競い合う西日本の各地を選び、東大、京大、北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大、国公立大医学部医学科の合格者数、卒業生数を調査した。
【愛知】
旧制一中の旭丘、旧制二中の岡崎など、伝統的に県立高校が強かったが、近年は私立の東海が合格実績を上げ、三つどもえの様相だ。
合格者数をみると、東大と国公立大医学部は東海、京大は旭丘、名古屋大は岡崎がトップだ。
東海は国公立大医学部合格者数が12年連続で日本一。東大理III、京大医学部にもそれぞれ2人合格した。
【大阪】
大阪府教育委員会が11年から府立の北野、天王寺など10校をグローバルリーダーズハイスクール(GLHS)に指定している。
19年の合格者数トップ校をみると、東大と国公立大医学部は私立の大阪星光学院、京大と阪大は北野だ。
京大に72人が合格し、2年連続で京大合格者数日本一になった北野の進路指導主事・冨山一紀教諭、天王寺の進路指導主事・中尾仁志教諭はともに「東大に受かる力があるのに京大を受ける生徒がいる」と口をそろえる。北野は毎年約130人、天王寺は約100人が京大を目指す。
「GLHSの10校から希望者を募り、『京都大学キャンパスガイド』『大阪大学キャンパスツアー』を行います。参加して進学への思いが強くなるようです。さらに、身近な先輩が京大や大阪大に進学していることも志望者が多い理由です。年3回ほどGLHSの教員が集まり、情報交換もしています」(冨山教諭)
大阪大でGLHSの生徒による合同発表会を開催するほか、10校から選抜された生徒の海外研修もある。
「2年生全員が参加する『京都大学研修会』では、希望の学部での研修に衝撃を受け、憧れる生徒も多いです」(中尾教諭)
【京都】
市立の堀川は、府内全域から募集した「探究科」の1期生が卒業した02年、国公立大の現役合格者数が前年の6人から106人と大幅に増えた。「堀川の奇跡」として注目を集め、それ以降ほぼ毎年、京大に現役で30人以上が合格している。
私立は、洛星と洛南が競っている。19年は、東大は洛星、京大と国公立大医学部は洛南が上回っている。