「『早大に行くための学校じゃない』という点は受験生や保護者に常に伝え、理解が進んできた。東大や国公立大などの進路にも対応できるカリキュラムを準備している」

 神奈川では私立の聖光学院や浅野、公立では横浜翠嵐や湘南などが東大合格者を伸ばしているが、際立つのが聖光学院だ。

 89年に27人だった合格者数は、18年に72人にまで伸び、ランキングでも7位に入った。80年代からトップ10の常連だった私立・栄光学園と肩を並べ、ライバル校となっている。

 進路先の傾向が、東大から医学部志向へと変わった高校もある。顕著なのがラ・サール(鹿児島)で、89年に92人の合格者を出すなど、トップ10の常連だったが、徐々に数が減り、18年の合格者は42人。他方で昨年の国公立大医学部の合格者は80人、私立で50人を超えている。社会的地位が高く、高収入の医師が人気を集めている。(本誌・緒方麦、吉崎洋夫)

週刊朝日  2019年3月22日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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