86年にできた西大和学園(奈良)にも注目だ。90年は合格者はわずか1人だったが、94年には6人、00年には21人、16年には33人と、着実に伸ばしてきている。
同校でも重視するのが、自分で考えて取り組む姿勢だ。学校行事に加え、ホタル観察や座禅体験など希望制の体験学習を充実させている。また、生徒からの提案を受け入れて14年からiPadを全員配布した。中岡義久校長はこう語る。
「iPadを導入した際には、生徒らは活用のルールブックを自ら作った。生徒が本気で取り組み、教員もやりがいが出ている。保護者も信頼を寄せている。その結果、合格者が伸びてきている」
都立高校も合格者数を大きく伸ばしているが、日比谷の復活には目を見張る。50年ほど前には100人以上の合格者を出していたが、67年に学校間格差をなくすために「学校群制度」が導入されてからは低迷。89年に11人いた合格者は、93年には1人にまで落ち込んだ。
しかし01年に都の教育改革で日比谷などが進学指導重点校に指定され、03年からは都内全域から受験生が集められるようになった。05年には合格者が前年の3人から14人に急増。07年に28人、16年には53人となり、44年ぶりに50人を突破した。
都立では国立も同様に合格者を伸ばしており、今後の躍進も期待されている。
私立中高一貫の女子校も合格者数を大きく伸ばしている。桜蔭(東京)は89年に53人の合格者だったが、94年に70人まで合格者を増やし、初めてトップ10入りした。96年には93人もの合格者を出し、その後も平均70人ほどの合格者を出している。
このほか、女子学院(東京)は89年に16人だったのが、18年には33人まで増加。豊島岡女子学園(東京)も90年に1人だったのが、18年に21人にまで増えている。女性の社会進出もあり、社会的評価の高い東大を目指す動きが強まっていると見られる。
また、約300人の卒業生のうち半数が推薦で早稲田大に進学する早稲田(東京)の合格者数も伸びている。05年までは平均9人だったが、06年からは10人以上、16年からは30人以上合格している。同校の進路指導担当者は、こう明言する。