著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は俳優・長谷川初範さんの「パンパ バーガー ダイニング」の「ハンバーガー」だ。
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以前、この店が目黒にあった頃、来日したアメリカの映画関係者をまじえて役者仲間でよく集まりました。じつはオーナーの小林幹さんも海外の映画に出演する役者なんです。
先日、新しくできたこちらにも伺いましたが、テラス席でハンバーガーを食べると気持ちよくて。僕は酒を嗜(たしな)みませんし、若い頃アメリカに留学した経験があるので、こういった空気が肌に合う。バーガーにはベーコンや目玉焼きなどいろいろ挟んで食べましたが、ボリュームはあるけど不思議と脂っぽくない。素材の味が感じられてうまい。カミさんにもお土産に買って帰ったら、喜んでいました。小林さんは強面(こわもて)の役がぴったりな風貌ですが、ハンバーガーひとつをとっても細やかな美意識がある。秘めたる闘志を感じます。
海外のエンターテインメントの話は刺激になりますね。またここで仲間と集まって、演劇論を戦わせたい。最低でもあと20年は、映画やテレビドラマ、舞台に野心を持って挑戦し続けたいと思っています。
(取材・文/今中るみこ)
「パンパ バーガー ダイニング」東京都港区白金6-5-6 フェリス白金1F/営業時間:11:30~24:00L.O.(ランチ16:00L.O.)/定休日:不定
※週刊朝日 2018年12月14日号