Q 最初の医師と意見が違って困った!
多くのがんには標準治療があり、それを主軸に考えるのが基本。ただし、抗がん剤を手術前にするか後にするかといった詳しい治療内容や、高齢や持病があるなど個人的な背景で意見が分かれる場合があります。標準治療が確立していない希少がんや、人それぞれ適した治療に差がある再発がんでは、判断が分かれる可能性も。意見が違って迷うときはサードオピニオンを受けるのも一手です。最終的に選ぶのは患者自身なので、まずは効果とからだへの負担のバランス、治療費など各治療のメリット、デメリット、自分がどう生きたいかも含めもう一度整理を。自分なりの優先順位をつけたうえで主治医と話し合うといいでしょう。
Q 家族だけで聞くことはできる?
「病状が深刻」「患者に治療費の心配をさせたくない」などさまざまな理由から、家族が本人に内緒でセカンドオピニオンを聞きたいという場合もあるでしょう。セカンドオピニオンは本人が納得して治療方針を選ぶためのものなので、本人が参加することが原則。入院中だったり具合が悪いなどの事情で本人自筆の同意書があれば代わりに家族が聞くことができますが、患者が未成年の場合などを除き「本人に内緒」は認めていない病院がほとんど。本人不在はできるかぎり避けるべきでしょう。
Q 主治医に内緒で受けられる?
「セカンドオピニオンを主治医に言い出しにくい」という人は少なくありません。こっそり受けようとしても、主治医からの資料が用意できないので、先方の病院に受け付けてもらえないことも。もし受けられたとしても、先方の医師にしてみれば資料なしで的確なアドバイスはしにくいもの。セカンドオピニオンの考え方が普及した今は、患者の申し出を拒否する医師はほぼいなくなりました。逆に「断るようならいい医師とは言えない」といった判断もできます。患者の権利であり自分のからだのことですから、勇気をもって申し出てください。
Q セカンドオピニオンを受けた病院に転院したいけれど
最初から転院を期待してセカンドオピニオンを受けるのはルール違反です。しかし受けてみたら、そちらに転院して治療を受けたいと思うこともあるでしょう。転院は可能ですが、一般にセカンドオピニオンを受けたからといって優先的に治療や入院ができるわけではなく、あらためて初診として診療を受けることになります。また必ず元の主治医のところに出向き、セカンドオピニオンの結果を報告して転院を伝えることは最低限のマナーと心得ましょう。
(文・熊谷わこ)
*週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院2018」より