天井から側面がガラス面で覆われた10号車展望室。夜間はまるで宇宙船のような近未来的な雰囲気が漂っていた
天井から側面がガラス面で覆われた10号車展望室。夜間はまるで宇宙船のような近未来的な雰囲気が漂っていた

 国内外の豪華列車からローカル線まで乗りつくしている鉄道写真家・櫻井寛さんが今回、JR西日本が誇る寝台列車「トワイライトエクスプレス 瑞風(みずかぜ)」の最高級客室「ザ・スイート」に自腹で乗車。乗った人にしかわからない、その全貌とは?

【写真特集】「瑞風」の最高級客室「ザ・スイート」の全貌はこちら

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 ある日、電話がかかってきた。JR西日本の豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(以下、「瑞風」)ツアーデスクからで、希望のコースにキャンセルが出たという。しかも巡ってきたのは最高級の「ザ・スイート」で、2人で150万円! 恐る恐る妻に相談すると、「いいじゃない!」と背中を押してくれた。僕の一生に残る旅はこうして幕を開けた。

 旅の出発点は大阪駅。10番ホームから、メタリックグリーンの輝きが眩しい「瑞風」に乗り込む。10両編成で、「ザ・スイート」があるのは7号車。実はこの車両のみ2階建てで、他の乗客やクルーの通行用に地階通路を確保。そのため、「ザ・スイート」は1両まるごと1室という世界でも稀(まれ)な空間を実現できたのだ。客室に足を踏み入れた瞬間、思わず「1両全部、僕のものだ!」と叫んでしまった。

 リビングルームにはダイニングテーブルとソファが配され、床から天井を覆う大きなガラス面からダイナミックな車窓の風景を堪能できる。その奥はキングベッドが鎮座するベッドルーム。さらに奥に進むとバスタブ付きのバスルームが。列車内とは思えない充実ぶりだ。

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