鉄道を撮るのも乗るのも大好きな僕は、国内外のさまざまな豪華列車に乗ってきた。「瑞風」は、設備面はもちろんのこと、サービスも食事もあらゆるものが素晴らしかった。寝る間も惜しいほどで、深夜の展望車を独り占めしたり、24時間利用できるラウンジカーでバーマンと会話を楽しんだりと、1泊2日を余すところなく味わい尽くした。

 このコースで走った山陰本線は電化されていない区間が多く、明治時代の鉄道の雰囲気を色濃く残す趣ある路線。そして、僕が高校時代に初めて撮影の旅に選んだ思い出深い路線でもある。50年近くの時を経て、こんな豪華列車で駆け抜けるとは!

 所要時間29時間14分で150万円の旅をどう見るか? 僕はこの上なく満足している。

※今回乗車したのは「1泊2日 山陰コース(下り)」。現在、「瑞風」には山陰コース(上り、下り)、山陽コース(上り、下り)1泊2日、山陽・山陰コース(周遊)2泊3日がある。櫻井さんが参加したコースは「文豪と維新の歴史をたどる旅」で、車内でミシュラン三つ星「菊乃井」村田吉弘さん監修の京点心ランチ、同「HAJIME」オーナーシェフ米田肇さん監修の西洋料理などを味わいつつ、道中、城崎温泉と萩に下車して観光する。(構成/吉川明子)

週刊朝日 2018年3月9日号

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