「もう限界だ。はっきりさせたほうがいい」
とうとう東京・秋葉原で小型カメラを購入。寝室のエアコンの中に仕掛けて出張に出かけたのだ。
帰宅して書斎で恐る恐る再生すると、妻と管理人がまるでけだもののように抱き合っている映像が映っていた。
「アダルトDVDのようだ……」
あぜんとした成田さんが居間にいる妻に向かって「オレの留守中にっ」と問い詰める。
すると妻は開き直って「盗撮なんてキモい。変態だわ。変態と暮らすなんてこりごり。子どもも任せられない」と、子どもを連れて出ていった。茫然(ぼうぜん)自失した成田さんが妻の実家に電話をすると、妻の両親は娘と孫が一緒に帰ってきたことを喜んでいる。妻は裕福な家の一人娘だった。
そして1週間後。妻から離婚届が送りつけられてきた。うなだれる成田さん。
「背伸びしてローンでせっかく買ったマンションで、その管理人が妻の高校の先輩で、まさか不倫だなんて。住んでいるだけで気分が悪いです。ですが、子どもとは別れたくない。だから離婚もしたくない。息子の中学受験も近いし、余計な不安や心配を与えたくないです」
管理人とは目を合わせない生活を送っている。