高橋医師は、冬場だけでも銭湯や日帰り温泉など公衆浴場を利用することも勧める。
「こうした場所では脱衣室が十分に暖房されていますし、人目もあるので万一意識を失ったときにも気づいてもらえる可能性が高い。日の高いうちに出かけておくのがおすすめです」
万一、入浴中の家族の異常に気づいたら、表を参考にして落ち着いて対処しよう。
楽しみであるはずの入浴で悲劇を招かないためにも、安全対策を怠りなく!(森田悦子)
■ヒートショック危険度 簡易チェックシート
□ メタボ、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症、心臓・肺や気管が悪いなどと言われたことがある
□ 自宅の浴室に暖房設備がない
□ 自宅の脱衣室に暖房設備がない
□ 一番風呂に入ることが多いほうだ
□ 42度以上の熱い風呂が大好きだ
□ 飲酒後に入浴することがある
□ 浴槽に入る前のかけ湯をしない、または簡単にすませるほうだ
□ シャワーやかけ湯は肩や体の中心からかける
□ 入浴前に水やお茶など水分をとらない
□ 一人暮らしである、または家族に何も言わずにお風呂に入る
該当項目が5個以上あれば、ヒートショック予備軍
多ければ多いほど、ヒートショックの危険度が高い
(リンナイ「熱と暮らし通信」から作成、入浴科学者・早坂信哉医師監修)
■入浴者の異常に気づいたときの対処法
1.まず浴槽の栓を抜く。大声で助けを呼び、人を集める。
2.浴槽から入浴者を出せれば救出する。すぐに救急車を呼ぶ。出せなければ、風呂のふたに入浴者の上半身をのせ、沈まないようにする。
3.浴槽から出せた場合、肩をたたきながら声をかけ、反応があるかを確認する。
4.反応がない場合、呼吸を確認する。
5.呼吸がない場合、胸骨圧迫を始める。
6.人工呼吸ができれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す。できなければ、胸骨圧迫のみ続ける。
(消費者庁の資料から作成)
※週刊朝日 2017年12月1日号