19年ぶりに誕生した国内出身新横綱・稀勢の里の快進撃が続いている。彼の昇進で17年ぶりの4横綱時代に突入した大相撲。3月12日から大阪で始まった春場所は前売り券が即日完売し、連日満員。懸賞金は地方場所で最多になる見込みと、景気のいい話題ばかりだ。
「まだ寒いのに、初日の自由席の一番乗りのお客さんは前日夜8時から並んだそうです。大阪場所では、力士が正面玄関から入り、廊下を通って支度部屋に向かうので写真を撮りたいお客さんが待ち構えているんです。稀勢の里はその中を警備員と4人の付け人にガードされて歩いていく。その時点から異常な盛り上がりです」(担当記者)
稀勢の里はもともとあまり話さないムスッとしたイメージの力士。だが、それが「横綱の威厳を増している」という声が多い。
「『(横綱という)地位がパワーアップさせるんだ』と親方衆も言ってますが、堂々としたもの。土俵入りも、無難にこなしてます。初日はたまたま、露払いを務める松鳳山と太刀持ちの高安が対戦することになり、松鳳山の代わりに露払いを務めた輝が緊張して回る方向を間違えちゃった(笑)。それでも本人はキッチリ務め、『ヨイショッ!!』という掛け声が大歓声になってこだましました」(ベテラン相撲記者)
館内で販売されている稀勢の里グッズの売れ行きもいいという。1番人気は、彼の似顔絵が表紙になっているジャポニカ学習帳。
「警備員への質問で最も多いのが『あれはどこで売ってるの?』。お年寄りが孫のために買っていくようです」(前出担当記者)
番付表の売れ行きも好調。
「19年ぶりの国内出身新横綱の名前が載ったもので、そりゃ記念になります。国内出身の横綱がそれだけ待望されていたってこと。大阪にあるちゃんこ料理店の売り上げも伸びているそうで、稀勢の里“様々”でしょう」(スポーツ紙デスク)
気になるのは肝心の稀勢の里の相撲内容だが、おおむね「落ち着いている」と評価する声が多い。