「慌てなくなりました。これまでは得意の左を差せないと慌てるパターンで、2日目の正代戦がそうでしたが、バタバタしないでじっくり勝機をうかがって押し出しましたから」(前出担当記者)
稀勢の里は9連勝で、4横綱の中で唯一全勝を守っている(9日目時点)。優勝争いの最大のライバルのはずの白鵬は序盤で2敗し、休場してしまった。
稀勢の里の独走を予測する声も出ているが……。
「先代師匠の鳴戸親方(元横綱・隆の里)が昭和58年の秋場所で成し遂げた“新横綱で15戦全勝優勝”という偉業をなぞることができたら最高ですけど(笑)。見どころは、負けたときです。1敗した後引きずらずに切り替えられるか否か。そこで稀勢の里の真価が問われます」(前出ベテラン記者)
(岸本貞司)
※週刊朝日 2017年3月31日号