介護保険ではサービスの開始が70歳まで引き上げられれば、それまで自前で対応しないといけなくなる。受給者1人あたりの費用額は月額15万7千円。一部、自費でサービスを受ける人も出てきそうだ。
年金や保険料の支払いも求められる。収入を月額20万円と想定した場合、厚生年金や健康保険の保険料は月額約3万円になる。
政府は社会保障のカットに向けて対策をとる。だが、それは「公助」ではなく「自助」。例えば、自分で資産を運用する個人型の確定拠出年金(DC)に、今年から原則として誰でも入れるようにした。公的年金に上乗せするかたちで受け取ることができる。もちろん運用結果は自己責任だ。65歳以上で新たに就職した人については、雇用保険にも入れるようになった。
「国や会社が何とかしてくれた時代は終わった。今後は自分のことは自分で考え、年金も自前で用意していくことになる。社会保障制度に無関心だと損をするので、自ら情報を集めて動く人が有利になります」(同)
※週刊朝日 2017年2月3日号より抜粋