韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス(以下、マーズ)のパニックが鎮まらない。
6月13日、韓国とWHO(世界保健機関)の合同評価団は、「迅速で透明な情報開示が行われなかったこと」などが感染拡散につながったと指摘。「現在は防疫処置の効果が出ている」としながら、「終息には時間がかかる」と発表した。韓国のマーズの確定感染者は13日現在138人、うち死亡は14人となり、あらたに4次感染も疑われている。
マーズの恐怖が広がる中、韓国全国で2千校あまりが休校となり、ソウル市内では、「あれだけあふれていた中国人観光客が消えて、街はがらんとしている」(ソウル在住30代主婦)。
こうした深刻な事態に、朴槿恵大統領は14日から予定していた訪米を延期。
「4月のセウォル号沈没事故から1年の追悼式の日に南米歴訪にたち、非難を浴びた。今回もまた国民を見捨てるのかと批判が上がって当初は日程を繰り上げる方向で調整していたようだ。国民に信頼されている大統領なら訪米にも踏み切れただろうが」(韓国全国紙記者)
この混乱で大統領の支持率は5月末から7ポイント下がり33%(6月11日)と落ち込んだ。