全中に対してもそうでした。37階建てのJAビル(東京・大手町)について「全中はすごい財産を持っている」と言うのですが、これは事実ではありません。もともと、大手町にあったビルが再開発で解体されることとなり、移転の条件として現在のビルの一部を区分所有することになった。移転にあたって、全国の組合員から資金の提供をお願いしたことはありません。こういった誤解も多かった。

――来年夏には、参議院選挙が控えている。地方の選挙区で命運を握る農家票の行方は、与野党の議員が気にしている。地方では今回の農協改革について不満がたまっている。はたして、農協はこれからも自民党を支援するのか。

萬歳:農政活動をどうするかは、これから議論することです。これは全国農政連(全国農業者農政運動組織連盟=農協の政治組織)の役割です。

 どの経済分野の法案でもそうですが、経済政策は政権与党の影響力が大きい。いまの政治状況で力を持つのは今の内閣、つまり自民党内の多数派。今後もこれは変わらないと思います。

 そのなかで、農家の思いを先生方がどのようにくみ取ってくれるのか、我々の思いを国政につないでくれるのか、農業を知っている政治家をどれだけ増やすか。新会長のもと、新しい農政連で決定されていくことでしょう。最終的には、農政がどの方向に向かうかです。どうしようもない政治家は、どうしようもないということです。

週刊朝日 2015年5月1日号より抜粋

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