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 最近、妻からのDV(ドメスティックバイオレンス)を受けたという夫からの訴えが報道でも目につくようになった。今年3月には「ホワイトデーのお返しをくれなかった」ことを理由に、夫の首をしめた堺市南区の自営業の女(43)が殺人未遂の疑いで逮捕された。2014年にはマグカップなどで夫(当時70)を殴って死なせたとして、妻(62)が懲役6年の実刑判決を受けている。

 警察庁の調査によると14年の配偶者やパートナーからの暴力は、過去最多の5万9072件を記録。特筆すべきは男性被害者の割合が増えていることだ。10年に男性は2.4%だったが、14年には10.1%と約4倍にも達した。

「DV相談は近年増加傾向にありますが、相談者の性別は男女ほぼ半々。夫からの暴力に悩む妻だけでなく、妻からの暴力に悩む夫は多いです」

 と話すのは、離婚やDV問題を多く扱う森法律事務所の森公任弁護士だ。女性が被害者なら警察も親身に話を聞いてくれ、自治体の相談窓口や一時的に身を寄せるシェルターなども充実している。対して男性にはこうした「駆け込み寺」のような機関は非常に少なく、誰にも言えずにひたすら耐えている人が多いと分析する。

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