週刊朝日2015年1月16日号 表紙の大谷翔平さん
週刊朝日2015年1月16日号 表紙の大谷翔平さん
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 20歳の快進撃が止まらない。前代未聞の投打「二刀流」で、11勝10本塁打という、日本プロ野球界初の快挙を成し遂げた日ハムの大谷翔平。2015年のシーズンについてはこう決意を語った。

 高校在学中、メジャーへの憧れを素直に口にしていた大谷。昨年11月の日米野球で侍ジャパンに選出され、憧れのメジャーリーガーたちと対戦した。

 第5戦で先発し、1回、2番プイグから、3者連続三振を奪う。最速160キロの直球を軸にフォーク、カーブなどの変化球を織り交ぜ、7三振を奪う堂々のピッチングを見せた。大谷は言う。

「メジャーは(高校のときに)行きたいな、と思っていた時より遠ざかった気がします。間近で選手を見て、すごさとか、自分との距離感を感じました」

 プロの世界に入ったからこそ、自分の立ち位置を冷静に分析しているようだ。しかし、プロでもまれたからこその自信も垣間見える。

「技術的には向上していますし、あの時より確実に近づいているのは間違いないんですけど、想像していた距離感よりほんの少しだけ遠くなったのかな、って感じです」

 3年目となる今年は、さらなる高みを目指す。

「やっぱり15勝以上はしたいですね。それくらい勝てないと、優勝圏内では戦えないのかな、と。自分がその場で勝負するんだ、という気持ちでやっていきます」

 口をついたのは、ピッチャーとしての言葉だった。

 自分がホームランを打っても勝てない試合はあるが、ピッチャーの勝ち星はそのままチームの勝利に直結するからだという。自信をつけた大谷には、エースとしての自覚が芽生えつつある。

週刊朝日  2015年1月16日号より抜粋