それに現代は心の病がすぐ近くにある時代です。できれば傷が大きくなる前に対処したほうがいい。休むのは勇気がいることだけど、ここまで頑張ってこれたということは、少しお休みをいただいた後でもちゃんと恵まれていくし、頑張れていけます。
僕はポッキリ心が折れることができるのも一つの才能だと思っています。切り替えができるということ。逆に「同じ気持ちで再び燃えられるかどうか自信がない」という人は、心が折れることができない人が多いです。恋愛だとわかりやすくて、「この人と別れたら次また100%で好きになれる人と出会う自信がない」というパターン。それで別れられなくなってしまう。
僕はこれに対して「ろうそくの火」理論という持論があります。例えば、赤という色で100%燃え続けられた日々があったとします。その情熱をまた取り戻すことは無理でも、次はピンクの炎とか緑の炎を100%で燃やすことはできる。自分で全部を背負わずに人と協力しあって、楽しく燃やせる色かもしれません。
色って移り変わるんです。だからそのためにもすっきりポッキリ折れちゃったほうがいい、というのが持論です。
◎しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※AERA 2023年2月20日号