うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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杏さんの夫、東出昌大さんの不倫は、日本中から猛烈なバッシングを受けました。先日、杏さんが公の場で「家族を守る」発言をしたことで、今後どう傾いていくかわかりませんが……。
今まで、芸能人の不倫が騒がれることは何度もありました。元アイドルの自宅で鉢合わせ、裏表がなさそうなタレントのLINE流出、SNSのメッセージの縦読み疑惑などなど。パートナーを傷つけることが前提である恋愛なんかに肯定的な気持ちは抱けませんが、結局は他人の家庭、男女間のことです。
しかし東出さんの不倫に関しては、男女平等の在り方を考えさせられました。今回の話を聞いたとき、私が最初に抱いた感情は不倫という行為そのものへの嫌悪感ではなく、東出さんへの「怒り」だったのです。子どもをもつ母親は全員、怒りを覚えたことでしょう。
■過酷な育児をしている間に続けられた「不倫」
不倫相手の女性がSNSに交際をにおわせる写真をアップしていたなどの話は、他人の不倫同様にどうでもいいことです。「そんな行為をしていたと周囲にバレて、恥ずかしいだろうな」とは思いますが、そんな点を興味本位で掘り下げて騒いでも特に得るものもないでしょう。
また、不倫発覚当時、(予想通りではあるのですが)何人かの芸能人が東出さんに対して擁護の声を上げました。「東出さんをたたいていいのは、妻である杏さんのみ」「こんなあかんことやったっけね不倫って」「どうして他人のことなのにここまで糾弾するのか」と。「会ったこともない人にパートナーのこと悪く言われたくないな」と言った女性ミュージシャンもいました。しかしそれらの発言も、少々、的外れな気がしました。
今回の件で焦点をあてるべきなのは、不倫が「妻が育児をしながら妊娠までしている」最中に起きた点、そして「3人の子どものうち上が双子で下は年子」という、あまりに過酷な育児をしている間にも続けられた点です。
子どもができたとき、男性と比較して圧倒的に女性に負担がかかります。妊娠は、初期も後期も悪阻(おそ)が苦しいし、寝返りもうてないほどおなかが重くなるし、子どもへの影響を考えると風邪薬も飲めないし、糖尿病や高血圧などのリスクも生じやすくなり、仕事の仕方も再考する必要がでてきます。
ホルモンが乱れて体はだるく、精神も不安定になりやすい。これら性差の仕組みは、人間がどんなに努力しようが、生物学的に変えようがありません。
それなのに、「妊娠中の浮気は起きやすい」という話をひんぱんに聞きます。子どものために大変な状態でいる妻を裏切り、理性より本能に従って、欲求を満たすためだけの行動に走る男性は、あまりに自己中心的かつ短絡的です。