■幼い子どもから父親という存在をなくす負い目

 ただ、こうした不倫に対し、「妊娠中だから」「子どもが生まれるから離婚しない」、と決断せざるを得ない女性がかなりの割合を占めることを考えてみてはどうでしょう。0歳児を抱え1人で仕事と育児を両立することは、物理的にも金銭的にも困難ですし、生まれたばかりの子どもから父親という存在をなくすことに負い目を感じる人もいます。

「子どもがいなければ離婚していたのに」と思いながら、離婚が「できない」状況に追い込まれる女性はたくさんいるのです。妻が、夫の浮気を許して離婚をしなかったとしても、それは「夫への愛情」とイコールではありません。気持ちにふたをして強引に元に戻しても、ひどく歪(いびつ)な形の家庭になることでしょう。

 そして、今回の不倫が母親たちからひどく怒りを買った理由は、「仕事をしている妻が生まれたばかりの双子&年子の育児をしている間に夫が不倫を継続していた」という点です。

 以前、年子の子、あるいは双子を生んだ母親たちの育児話を聞いたことがあるのですが、壮絶すぎて言葉が出ませんでした。彼女らはそろって、子どもが生まれてから1年間のことを、「地獄だった」とか、「きつすぎて当時の記憶がない」と口にしていました。

 双子と年子の育児の実態について、幾つか具体例を書いてみます。双子の場合、とにもかくにも授乳が大変です。生まれたばかりの赤ちゃんはほんの少しの量を飲むのにも時間がかかるため、授乳間隔が2時間おきだとすると、1人がミルクを飲んで寝たとしても、もう1人にミルクをあげているうちに再び起きてしまいます。

 これが続いて24時間寝られない日もしょっちゅうあるので、神経症になりかかる人が多くいます。次第に頭がぼんやりしてきて、どちらが何時に何ミリのミルクを飲んだかわからなくなるのだとか。

■双子育児の大変さを知ろうともせず、女に走った罪

 また、歩けるようになったらなったで、何をしでかすかわからず、危険なので赤ちゃんを1人きりにできなくなります。お風呂さえ、目を離さないように2人を入れながらさらに急いで自分の体を洗うという、非常に大変な作業になっていきます。さらに双子用のベビーカーは横に広い構造をしているので、1人の赤ちゃんなら平気な道や、普段使っているエレベーターでさえ乗れないなんてことも起きてきます。

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