海斗さんに、カウンセリングに期待するものをお聞きしたところ、
「こんなことをしてしまって言える立場ではないけれど、お互いにとって、ベストな解決策を初心に帰って見つけていきたい」
とおっしゃいました。これもまた、なかなかトリッキーな言葉です。
吉本興業の社長も、「最善の解決策を一から考えていきたいと思います」と、似たようなことをおっしゃっていました。
「みつけていきたい」だけ、「考えていきたい」だけだという前出の突っ込みを横に置けば、次に引っかかるのは、誰にとっての「ベスト」「最善」な「解決」なのかです。海斗さんに
「仮に桃花さんにとっての最善が離婚することだったら、それでもいいということですか?」
とお聞きすると、
「それしかないということならそれで仕方ないですけど……。そうならないように最善の努力をしたいと思ってここにきています」
とおっしゃいます。つまり、桃花さん(だけ)の最善ではだめだということです。そうだとしたら、「2人それぞれの最善が一致する、という偶然に恵まれたい」と言っているだけで、そうでない現実からすると夢物語なのです。
岡本社長も、誰にとっての最善なのかを明示していませんでした。所属タレントはどうあれ「吉本興業にとっての最善の解決策」を見つけようとしているというようにも聞こえます。まあ、それは社長なのですから当然といえば当然ですが、そうであれば「芸人・タレントファースト」という言葉はむなしく響きます。
さらにいえば、そもそも「解決」というのは、「問題」があるから解決が必要なわけです。そこで「何が問題なのか」が共有されているのかは大きな問題です。
海斗さんにとっては「妻が離婚したいと言っていること」が問題のように私には聞こえました。吉本興業の社長にとっての問題は「マスコミが会社(または自分)の対応を批判すること」かもしれません。
問題をそう捉えたら、建設的な「解決」には至らないのは、火を見るのも明らかです。つまり、海斗さんだったら「どう離婚しないように説得するか」が対応の焦点になります。その対応にずっと我慢してきた桃花さんが今回は自ら離婚だ、と言っているわけですから、その手はもう効果がないはずなのです。