「お母さん、もう我慢しなくていいから、離婚しなよ」
という娘の言葉で、桃花さんは我慢してきた力が抜けてしまったそうです。
そんな話に対して、海斗さんは、
「自分が反省しなければならないことは真摯に反省していかなければならないと思っています」
とおっしゃいました。
これは、岡本社長が記者会見で「大いに反省しなければならないことだと考えております」とおっしゃった言葉ととてもよく似ています。
これらの発言の突っ込みどころはいくつかありますが、その一つは、反省しないといけないと「思っている」「考えている」だけで、現に今、反省しているわけではないという点です。もっというと、「反省しなければならない」というのは、「反省したくない」という気持ちの反映です。自分がやりたいことに対しては、「〇〇しなければならない」とは言わないはずです。揚げ足をとっているように聞こえるかもしれませんが、聞いた相手が、意識的には「反省しようとしているんだな」と前向きにとらえたとしても、無意識には裏の意味を受け取る可能性が高いので、重要なポイントです。
カウンセリングで、こういうことを指摘すると、
「言い方がよくなかった」
「誤解を招く言い方だった」
とおっしゃる人がいます。これは「反省」という実態はあるけど、言い方がうまくいってないという主張ですが、実は反省していないという実態を本人が認めていないので、これ以上反省が深まることはあり得ません。
岡本社長の会見に対して、「(全体として)社長が何を言いたいのかわからない」という批判がありましたが、その時点で何をどう反省しているのか、反省とは何をどう変えることなのかを明確にできていないのであれば、反省しなければと「思っているだけ」という指摘はあながち外れていないと思います。もちろん、ショッキングなことを突きつけられてすぐ100%の反省ができる人はいないと思いますので、現時点では自分は起こってしまったことをこう理解して、こう感じている、と明確化することが、「反省」なのだと思います。