

個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は年齢について。
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18歳の時に「絶対35は過ぎてると思った」と言われた僕ですが、最近は「もうすぐ50です」と言うと、「もっとお若く見えます」と言われたり、そうかと思うと「まだ50いってないんですか!」と驚かれたりします。僕個人としては、若く見られたら嬉しいとか、老けて見られてショック、というような感覚は特になく、単純に「ああ、そう見えるのね」くらいの感慨しか湧かないのですが、正直、僕が今まで…… やっぱ、やめようかな、コレ書くの。怒られそうだから。なんか怒られそうだから。俺、怒られるの苦手だし。でもココまで書いてやめたら担当K氏に怒られそうだな。ごめんなさい。先に謝っとこう。ごめんなさい。でも正直な疑問なんです。どうしても長年、僕が「本当には」理解できてないことなんです。
ここまで長く、言い訳めいた言葉を前もって並べるのは、別に字数を稼ぐためではなく、いやそれも多少ありますが、要するに、それほど繊細といいますか、その疑問を口にすること自体、「デリカシーない!」と言われてしまう危険性をはらんだ、シビアな事柄だからです。
一体お前は何を書くつもりなんだ、とお思いでしょうが、勇気を振り絞り、正直に、すごく正直に言うと、「女性に年齢を聞くのは失礼」という定説(?)の意味が、僕には正直よく分からないのです。
随分と引っ張ったわりには大したことないじゃんと思った人、いやいや、今まで年齢を聞いてしまい、何人かの女性にガチで怒られましたし、中には「海外でそんなこと聞く男は一切いないよ」と、恥を知りなさいとばかりに軽蔑の目を向けられたこともあり、まあ一口に女性と言っても、もちろん「人による」のでしょうが、今まで僕が年齢を聞いてしまい気を悪くした女性の方々、ホント、なんというか、ホント、ごめんなさい。俺、何回謝るんだろ。そして俺、なんでこの定説の意味が分からないんだろ。