ブラジル代表歴もある川崎のレアンドロ・ダミアン(写真:getty Images)
ブラジル代表歴もある川崎のレアンドロ・ダミアン(写真:getty Images)

 いよいよ今年もJリーグのシーズンが到来。J1は2月22日からスタートし、各々の目標に向かってひた走る長丁場の戦いが続く。昨シーズンは川崎が史上5チーム目となる連覇を果たした。そして今季は川崎が3連覇を目標に、また他チームはその牙城を崩すべく新シーズンに向けて着々と準備を進めてきた。そこで今回はJ1全クラブのオフシーズンの選手補強を査定(良い方からA・B・C・D・Eの五段階)し、3日間にわけて紹介する。

■札幌 C

 昨季12得点の都倉賢、さらに川崎から完全移籍での獲得を狙った三好康児も願いはかなわず手放す結果となったが、鈴木武蔵(←長崎)、岩崎悠人(←京都)という潜在能力の高いアタッカー、シャドーも1トップもできるアンデルソン・ロペス、サイドの突破力に定評のある中野嘉大も加わった。戦力的には昨年の4位からさらにACL圏内を狙えるポテンシャルはある。

 躍進のキーは新戦力がどれだけ早く特殊な“ミシャ式”に順応できるか。彼らが高い個人能力を発揮するにはまず札幌の基本スタイルに適応することが必要だ。ただ、すでに主力の大半が基本的な戦い方を理解しており、特にディフェンスラインとボランチの主力は顔ぶれが変わっていない。アタッカーのところは当面、多少の雑味は出るはずだが、大きく順位に影響することはないはずだ。

■仙台 E

 長身FWの長沢駿(←G大阪)など即戦力はいるものの、出て行った主力級の戦力との収支を考えると質も量も心もとなく、各選手の成長など期待値を加味しないと昨季の11位を超える順位を狙うのが難しいどころか、残留争いに巻き込まれる危険も小さくない。特に3バックの一角で大ブレイクした板倉滉(レンタル元の川崎からマンチェスター・シティに移籍後、レンタルでフローニンゲンに加入)の穴を埋められる選手などそういない。

 もっとも、その板倉にしてもあれだけのブレイクは開幕までほとんど予想されていなかったわけで、渡邉晋監督が抜擢する若手が期待に応える活躍を見せれば、躍進の可能性もある。その1人がMF吉尾海夏(←横浜FM)で、欧州風の戦術眼を身につけており、仙台のスタイルには素早く適応できそうだ。昨年の天皇杯で鹿島を相手に確かな存在感を見せた右サイドの道渕諒平(←甲府)、松本山雅のJ2優勝に大きく貢献した左サイドの石原崇兆(←松本)の両翼がフィットできれば、長沢の高さも大いに生きてくる。

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鹿島、浦和の評価は?