
年末年始は、サッカー、ラグビー、バスケットボール、箱根駅伝、ボクシング世界大会など、スポーツの大会が目白押しです。スポーツ観戦三昧で寝不足だ、という方も多いのではないでしょうか。
「ああ、お正月が終わってしまう……」。箱根駅伝を観るたびに、そう思っていた幼少期の記憶が思い出されます。社会人になってからは、箱根駅伝の余韻に浸る間もなく、仕事始めを迎えていますが、今でも、新年を迎えたことを実感するイベントであることに変わりはありません。
今年は、ラグビーワールドカップやバスケットボールの世界選手権であるFIBAワールドカップが開催予定であり、2020年には東京オリンピックも控えています。スポーツに触れる機会が多くなるであろう今、スポーツがもたらす可能性のある健康問題について最新の研究結果をご紹介したいと思います。
■「痩せ体型」が有利とされる所以
箱根駅伝や全国高校駅伝などマラソン選手は皆、引き締まった細い体型をしています。1989年から2014年の26年間の高校生ランナーの痩せ傾向について法政大学の調べた調査結果によると、男女ともにBMI (Body Mass Index、体重と身長から計算される肥満・痩せの指標)は減少しており、非常に痩せている女性のランナーが有意に増加していたと言います。つまり、アスリートは、どんどん痩せていっているのです。
これは、長距離走やサッカーなどの持久系のスポーツ選手に限った話ではありません。新体操やフィギュアスケート、バレエやダンスなど審美系のスポーツ選手にも共通しています。
原因の一つは、痩せ体型であることが競技パフォーマンスをあげるために有利であるとされていることです。ボクシングなどの体重別に実施される競技でも、体重を落とすことで、階級を下げれば、成績は向上します。アスリートが体重を絞ろうとするのもわかりますよね。他にも、アスリートはすらっとした身体イメージへの期待が非常に強く、試合をしていないときでも美しくいることを求められる環境にあることが原因と考えられています。