医学部受験は女子差別、多浪生排除などで揺れているなか、2019年入試シーズンが目前に迫ってきた。“最難関”といわれる医学部受験だが、実は、近年の医学部入試では「五反田」が熱を帯びている。
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表を見てほしい。
これは、東京・五反田にある複合型商業施設「五反田TOCビル」(以下、TOCビル)と、16年1月に同じ五反田にオープンしたイベント会場「TOC五反田メッセ」を2019年試験会場に予定している私立大医学部の一覧だ。このTOCビルの利用を予定している医学部が9もあり、さらにTOC五反田メッセを利用する医学部を加えると、全部で11大学が五反田に集結することになる。全国の私立大医学部は計31(防衛医科大学校を除く)あるので、実に3割以上が五反田を試験場に選定。特に、1月25日から31日までは、1週間連続で毎日入試が行われている。私立大医学部を目指す学生にとって、五反田はまさに“主戦場”と化しているのだ。
JR山手線、東急池上線、都営地下鉄浅草線などが乗り入れする五反田駅から徒歩8分のTOCビルは、五反田駅のほか、東急池上線大崎広小路駅、東急目黒線不動前駅の4線3駅が利用でき、交通の便がいい。試験会場として利用されることが多い同ビル13階は、最大7000平方メートルの広さで、約3000人の試験が可能だ。またTOC五反田メッセとTOC有明はともに最大1500人のキャパシティがある。
「入試が終わったときに、来年の予約をされる大学が多いですね。TOCビルの利用が多いですが、メッセか有明の利用もありますし、TOCビルとメッセの両方を利用される大学もあります」(催事施設事業部)
事実、18年入試で3000人を超える志願者が集まった昭和大学、聖マリアンナ医科大学、東海大学は、19年入試では五反田のTOCビルとメッセの両方が試験会場になっている。
■五反田駅からの行列が風物詩
17年4月に医学部を開学して19年入試が3回目となる国際医療福祉大学は、18年に続いて19年もTOCビルで入試を行う予定だ。なぜ、TOCビルなのか?
「収容能力に加え、入学試験会場としての運営実績とノウハウもあることから、この会場を選びました。一般入試は大阪、成田、福岡にも会場を設けており、運営のための人員をできる限り集約したいことと、受験生が会場を間違えるリスクを減らすために、東京会場は複数設けるのではなく、1カ所にしました」(国際医療福祉大学入試事務統括センター)