石橋洋子さんのインスタアカウント@yoko_bashiは現在、フォロワー6万8千超(撮影/赤司憲壕)
石橋洋子さんのインスタアカウント@yoko_bashiは現在、フォロワー6万8千超(撮影/赤司憲壕)

 153センチ、60歳。バブル世代の元看護師が提案する「大人コーデ」が支持を集めている。流行にとらわれないハンサムな着こなしと彼女の貪欲さは、どこから生まれたのか。AERA 2022年12月19日号より紹介する。

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 誰にも遠慮せず、好きな服を着る。簡単そうでいて、実は難しいことだ。多くの場合、自身の年齢や体形、そして何より周囲の目を気にしてしまうから。

 でも、身長153センチ、60歳にして「タンクトップもショートパンツも大好き。海ではビキニです」と公言し、注目を集める女性がいる。ファッションブランド「Lazo_N33°(ラソ エヌ サーティースリー ディグリーズ)」のディレクターを務める石橋洋子さんだ。

 透け感のあるブラウスも一枚で着てしまう。なんなら、へそ出しルックで歩きたいくらい。おなかの肉が目立っても、「いいじゃない。自分が思っているほど、周りの人は気にしていないものです」と石橋さん。なぜ、こんなふうにいられるのか。

撮影/北原千恵美
撮影/北原千恵美

■58歳で看護師を辞めた

 ど真ん中のバブル世代。福岡市に暮らし、長く看護師として働いていたが、ある知人に「自分の好きなことを突き詰めれば、いつか身になるよ」と言われたことをきっかけに、52歳でインスタグラムを始めた。

「バブル以前から、目まぐるしく変わるファッションの流行を全部受け入れて、おしゃれを楽しんできました。おしゃれは私そのもの。私の好きなことって、洋服しかないやん、って」

 毎日コーディネートをアップするうちに、フォロワーは5万人を超えた。60歳を前に頭をよぎったのは、「このまま平凡な人生で終わるのかな」という思い。新たなチャレンジをしようと58歳で退職した。

 そこから、2021年のミセスオブザイヤー福岡大会で特別賞を受賞し、日本大会へ、そして「ラソ」の立ち上げへ。YouTubeで動画配信も始め、22年11月には著書『アンダー153cm、60歳。カッコよく着こなす大人コーデ』を出版した。石橋さんはいま、「わくわくが止まらない」と話す。

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