万人向けプランはコレ

 11月現在、新電力は679もある。比較サイトを使って検索することすら面倒な人は多い。万人向けとして曽我野さんが例に挙げたのはエルピオでんきのスタンダードプランS(40A)やソフトバンクでんきのくらしでんき(従量電灯B)。

「基本料金は大手電力会社と同等または安く、従量料金も1~5%程度安いというプランなので、毎月どういう使い方をしても、だいたい安くなるはず」

 乗り換えの際は「電気代支払いでポイントが貯まる」という観点で選ぶのもアリ。Tポイントや楽天ポイントなど、よく使うポイントと新電力をリンクさせれば、さらにオトクになる。

 ところで、ガスも17年4月から小売り全面自由化が始まっている。安くならないものか?

「ガスは、元の月額料金が電気より安いので、切り替えた後のお得を実感しにくいでしょう。参入事業者数も少なく、電気と比べると割安なプランが少なく見えるのではないでしょうか」

 比較サイトをさわってみて感じたこと。光熱費カットの難敵はロシアでもLNG相場でも原油相場でもなく、手続きを先延ばしにするユーザーの“面倒な気持ち”ではないか。(経済ジャーナリスト・大場宏明、編集部・中島晶子)

AERA 2021年12月6日号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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