乗り換えで得する新電力の例(AERA 2021年12月6日号より)
乗り換えで得する新電力の例(AERA 2021年12月6日号より)

 LNG(液化天然ガス)の価格高騰などから、電気・ガス代の値上げが続いている。家計の支出増を防ぐべく、光熱費プランを見直してみてはいかがだろう。AERA 2021年12月6日号は、おすすめのプランを紹介する。

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>>前編【電気・ガス代値上がりの「真相」 ロシア外交に原油高の波及も…専門家が解説】より続

 私たち消費者はロシア外交や気温の変化に振り回されてばかりもいられない。生活防衛の強い味方は電力小売り業者、いわゆる新電力会社だ。

 家庭向けの新電力は2016年の規制緩和で誕生。基本的に大手電力と中身は同じ。電気を買う窓口が変わるだけの話だ。

 中身が同じなら価格で選ぶのがよいだろうが、どこが安いか。電気とガスの比較サイト大手「エネチェンジ」などを利用すれば答えが出る。パソコンやスマホで郵便番号と世帯人数を入力すると、該当エリアで利用できる新電力の料金プランが表示される。東京23区内在住、3人世帯で試算をすると、節約額1位は「シン・エナジー」と出た。安くなる金額は年間1万3366円=下の表。初年度は1万8千円分のギフト券ももらえる。

 ここで一つ注意点を。今年1月には一部の新電力で急激な値上がりがあった。結論を先にいうと、市場価格で電気代が変動する純粋な市場連動型プランは避けたほうが賢明だ。比較サイトのエネチェンジでも、市場連動型プランは掲載していない。

「昨年12月から今年1月にかけて日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場の取引価格が急騰し、通常1キロワット時あたり1日平均10円程度から平均154円(最大価格251円)まで高騰しました」

 と、エネチェンジの曽我野達也さんは振り返る。今年1月に市場連動型プランを契約していた人の請求額が、1カ月で数十万円に上るケースもあった。エネチェンジは無料窓口を置き、消費者の相談に乗った。

「新電力の対応はまちまちでした。自然電力グループのように3万円を上限として値引きする業者もあれば、支払総額は変えず、最長36回の分割払いにした業者もありました」

 36回だと月々の請求額が少し上がる程度なので分かりにくいが、解約を申し出ると未払い分をまとめて請求されることになり、ユーザーは驚く。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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