「入学したての4月とかならまだわかる。『東工大落ち』など周囲でよく聞きました。でも秋学期になり、もうすぐ2年生の進路振り分けという時期になって、まだそこ、引きずるか?と」

 男性はその同級生に対し、「自分を大きく見せたいのかな」と感じたという。

東大を受ける学力があって、ほんとは受かる予定だったけど、試験の日たまたまミスっちゃってダメだったというのが裏の論理。でもそれをいちいち言うのはダルいから、『東大落ちで』と言ってくる。自己顕示欲の延長じゃないですか」

 ○○落ちとか、正直、どうでもいい。視野が狭すぎないか?と男性は呆れる。

「たとえば国立の山口大学とか、偏差値で言うと『めっちゃ難しい大学』ではないけど、宇宙開発の研究レベルはすごく高い。大事なのは『その大学で、何するかでしょ』と思います」

(編集部・小長光哲郎)

AERA 2021年11月29日号より抜粋

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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